*矢野さんのメルマガ投稿2006年
2006年頃、ネット上ではメルマガの刊行が流行っていました。
以下は、矢野さんのメルマガに投稿してきたコラムの原稿ファイルです。
古いファイルがでてきたので、ここにまとめてみます。 2020−10−10
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コラム「切手の魅力と不思議」
(1)収集のきっかけ
(2)何を集めるか 収集品の対象』
(3)どこから手に入れるか』
(4)何をテーマにするか 全ては集めきれない
(5)電気のテーマ と言っても広い
(6)切手以外のマテリアル
(7)収蔵からコレクションへ 情報の収集
(8)切手展に出品 見てもらう 人からの助力
(9)現物をみにいく 本を書く
(10)仲間に入る 根暗からネアカへ
(11)三浦の郵趣遍歴 まとめ
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コラム:『切手の魅力と不思議(1):収集のきっかけ』 2006−5−27
矢野さんの依頼で、趣味の切手収集に関して、書いてみます。
ほとんどの方は、ものを集めるのが好きです。
そうしたものを集める趣味の一つに、切手の蒐集があります。
小学生の頃、漫画雑誌などの片隅に切手の広告があり、その広告に掲載されていた見たこともない切手の写真を切り取って集めて、夏休みの宿題に提出したことがあったかと、記憶しています。
そして、1961年、私が中学1年の時です(といえば計算すれば私の年齢が判ります)、家に届いた郵便物に偶然にも記念切手が貼られていました。こんな切手もあるのかと気がつきました。
普通の切手とは異なる切手もあるのだと、関心を持ちました。
この切手はちょうどその頃に日本で国際ロータリー年次大会が開催され、その記念切手でした。
これが、実物の綺麗な切手を見た始まりでした。
雑誌広告の写真とは異なる趣でした。
その後、発行される切手を、ぼつぼつと、記念切手の発行の都度1枚、郵便局で購入していきました。
1963年頃はちょっとした切手収集のブームになり、同級生も集めていました。
それから40年以上経過し、私以外の誰も切手を集めていません。
私は、切手収集の世界の完璧にのめり込んでしまっています。
それが、切手収集の魅力です。
具体的に何が魅力か・・・・集めていいない方に、説明はできません。
摩訶不思議な世界です。
学生時代に、何か方針を決めて、収集しようと思いました。
全ての切手は集め切れません。
当時、電気工学の学生であったので、単純に、電気の切手を集めてみようと、決めました。
でも、方針を決めただけで、止まっていました。
切手を購入する店などは田舎にはなかったからです。
またそうした購入資金もなかったからです。
秋田郵趣会という切手収集家の集いがあり、定例会に参加していました。
先輩諸氏から、どうやって切手を集めるか、知識などを教わっていました。
今でも覚えていることですが、ある例会の時に、Kさんが「バスタブ」ということの説明がありました。
アメリカでの話でした。
郵便物に張られた切手を封筒からはがします。
この作業を「水はがし」と呼んでいますが、通常は洗面器で行います。
封筒から切手の周囲5mm程度の巾を持たせて切り取ったものを、水を入れた洗面器に入れて、20-30分ほど放置しておきます。
そうすると糊が流れて、切手が封筒から離れます。
これを切手だけを取り出して、乾かします。
バスタブというのは、これを大規模に行うもので、風呂桶(バスタブ)で行うというものでした。
10枚20枚の蒐集ではなく、1,000枚10,000枚といった規模で蒐集を行う、というアメリカ大陸らしい話でした。
この話をしてくれたK氏とは、今でもお互いに切手収集家同志としての付き合いが継続しています。
40年間以上の付き合いになるのでしょう。
ここにも、切手収集家の摩訶不思議さがあります。
就職して、東京に出てきました。
東京には趣味の切手を専門に売っている店がたくさんあります。
給料から自分のお金で切手を購入することができるようになりました。
そして、そこから「電気の切手」の収集に特化していきました。
以来、数十年、今ではこの電気の切手におぼれています。
電気の切手なんか、ほとんどないと思われますが、とんでもない、探せばどんどんとでてきます。
集め切れない量になります。信じてもらえますか?
でも、探さないと、何もでてきません。
ここが趣味の醍醐味です。摩訶不思議さです。
つづく
三浦正悦
WEB:電気と切手の世界:http://homepage3.nifty.com/elestamp/
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コラム:『切手の魅力と不思議(2):何を集めるか、収集の対象』 2006−6−5
切手といえば皆さんの多くは「郵便切手」を思い出すでしょう。
でも厳密に考えると、例えば国語辞典「大辞林 第二版」では、
(1)「郵便切手」の略
(2)「商品切手」の略、商品券
(3)関所や乗船場で示した通行証、手形
とあります。
私は、もっとも一般的な「郵便切手」として、切手という用語を用います。
私も、第1回コラムで紹介したように、綺麗な・見たことのない切手を見たことが収集の始まりです。
したがって、郵便切手を集めるのが「切手の収集」です。
でも、長年集めてきていますが、狭い意味での切手収集に終わっていません。
なんのかんのと自分なりの収集道に屁理屈をつけて、じわり、じわりとその収集範囲が広がってきています。
自分なりの屁理屈をつけるのが、収集の醍醐味です。
その対象は
*郵便切手
郵便局から売り出された未使用の切手、消印が押された使用済みの切手
*郵便切手が貼られた郵便物 そのもも、封筒のまま、
あるときには中身の手紙が入ったまま集めます。
屁理屈:郵便切手は元来郵便物に貼られて使用されるのが目的である。
そうした目的に使用された郵便封筒や郵便切手こそが、収集の対象として価値が高い・・・・
有価証券としての郵便切手の使命を達成し、一般にはゴミとなるものに、自分なりに価値をこじつけて、他人には無価値なものに価値を見出し、お宝として大事にする、これが趣味の醍醐味・・・・
*郵便の送達で使用された郵便消印など
封筒に押された消印も収集の対象です。
消印も郵便の歴史とともに変遷があります。
国内郵便用の消印、ローマ字で表示された外国宛郵便の消印。
日本では見かけませんが、2ヶ国語で表記された消印もあります。
通常の局名と日付が入った消印のほかに、記念イベントに応じて使用される特殊記念日付印(特印)と呼ばれるものや、観光地などでしようされるその地の風景などを描いた「風景入り日付印(風景印)」と呼ばれる消印などがあります。
これらの消印の収集も、切手収集のひとつのジャンルになっています。
特定の地域では、明治XX年にAA郵便局ができて、BBという郵便消印が使用され、CC年に郵便局名がDDに変更になり、EE年F月G日には他の局との合併により局は消滅した・・・・・というようなことを、実際の郵便物に押された消印などをもとに、歴史を刻んでいきます。
ちょっとした郵便の歴史、郷土史になります。
郵便局には概して過去のそうした履歴などは局の歴史として残していないことが多いので、収集家がそうした歴史を追いかけ、コレクションとして残しています。
*葉書など
郵便はがき、年賀葉書なども収集の対象とします。
切手は貼っていなくても、これらは収集の対象となります。
郵便はがきのほかに、郵便切手付の封筒なども発行されています。
国内用ではミニレターと呼ばれ、海外用はエログラム(世界共通語です、日本語の語感は良くない)と呼ばれています。これらも収集します。
*郵便送達の証紙関係
速達や書留と言った郵便では専用のラベルが使用されます。
こうした郵便送達に直接関連するラベルや、押印されたゴム印なども収集の対象です。
ということで、その他にもありますが、郵便切手に始まって、郵便の送達に関連するものを幅広く集めるのが趣味で、こうなると「切手」収集家とは言いがたくなるので、「郵趣」家、郵便趣味 という用語を用います。
英語ではフィラテリ(郵趣)、フィラテリスト(郵趣家)という世界共通語があります。
スタンプコレクタから、フィラテリストになります。
スタンプコレクタからフィラテリストにその収集範囲を広げる、こうなると趣味の世界にはまって抜けられなくなります。
私はあえて、この世界から抜けようとは思っていません。どっぷりつかっています。
集めていない方には信じてもらえないかもしれません。これが切手収集の摩訶不思議さです。
つづく
三浦正悦
WEB:電気と切手の世界:http://homepage3.nifty.com/elestamp/
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コラム:『切手の魅力と不思議(3):どこから手に入れるか』 2006−6−12
郵便切手はどこから手に入れるか?
様々な入手ルートがあります。
1)郵便局の窓口で購入
これが一番判り易い手段と思います。
普段の郵便に使用するために、発行枚数を制限しないで、なくなったら追加の印刷をして、いつでも、どこの郵便局でも、長期にわたって同じ切手(何が同じ切手かについては、切手収集家と切手を発行する郵政当局では、見解が大きく異なります。
注1)を売り続けるものを「通常切手」と称しています。
この通常切手は、例えば封書郵便の80円切手であったり、葉書のための50円郵便切手であったりします。
これらは現在の使用中の切手ということから、切手収集家は「現行切手」と名づけています。
この数年の場合、郵政公社の業務の簡素化に伴って、窓口では売らなくなった額面の切手もありますが、額面だけでいえば、1円、2円、3円、4円、5円、6円、7円、8円、9円、10円、12円、15円、18円、20円、25円、30円、35円、40円、41円、45円、50円、60円、62円、65円、70円、72円、75円、80円、90円、100円、110円、120円、130円、140円、150円、160円、170円、175円、190円、200円、210円、250円、260円、270円、300円、310円、350円、360円、390円、400円、410円、420円、430円、500円、600円、700円、1000円 といった額面の通常切手があります。
57種類もあります。 これらは過去40年間に発行されて通常切手の額面です。
この57種だけでも、ちょっとしたコレクションになるでしょう。
現在の最高額面は1000円です。
の1000円切手と700円切手は20面シートです。
シート買いしようとすれば1000円の場合は2万円となります。
500円切手は100面シートなので、シート買いをしようとすれば、なんと5万円となり、容易にシート買いはできません。
なぜこのような多様な額面があるのでしょうか?
郵便料金の変遷もあり、よく使用される料金に対応する切手をその都度準備するからです。
定型内の封書を速達にした場合、封書80円に速達料金270円を加えた350円の切手、
もし封書料金が80円から90円に値上げされると、360円の切手が、
もし速達料金を250円値下げすることになれば、330円の切手が・・・・・と
注:郵便局としては、長い間同じ額面、同じ図案の切手を売り続けるとします。
売れたら追加の切手を印刷します。
長い間、そうした印刷を繰り返していると、紙の質が代わったり、裏糊が変わったり、目打(切手の周りのぎざぎざの穴)のあけ方が製造する印刷機の改良などによって変化をしたり、印刷所が変わるのでシートの白い余白(マージンと呼ぶ)の部分に印刷されている印刷場所の表記が変わったり、インクが微妙に変わったり、印刷版の磨耗などによって作り変えることによって微妙に図案が変わったり、・・・・・ 色々と変化が発生します。
これらは、専門的に集めていくと、その収集家にとっては、別々の切手(別種)になります。
したがって、こうした通常切手の集めている収集家は、しばしば郵便局に行って、何か切手に変化が出ていないか、調査を行ないます。
一人では賄い切れないので、仲間で協調して、情報交換を行ないながら、収集を行っていきます。
通常切手に対象的なものとして、限定された発行数で、特定の記念イベントやその他観光目的などで発行される、ちょっと通常切手に比べると大型で綺麗な切手があり、特殊切手・記念切手と呼ばれます。
これらは事前に発行の予告があるので、郵便局の窓口で、場合によっては列を作って順番待ちをして、購入することになります。
2)郵趣窓口
通常の郵便局の郵便差出・郵便切手売りさばき窓口の他に、東京中央郵便局、新宿郵便局といった大きな郵便局では、切手収集家のための専用の窓口を設けて、過去に発行された特殊・記念切手を在庫のある限り継続して販売しているコーナがあります。
人気が高く、発売と同時に売り切れてしまっている切手は無理としても、在庫が残っている切手は1年もしくは2年程度前のものも、こうした郵趣コーナで、額面で購入することができます。
3)外国の郵政当局から直接購入する。
1)2)は日本の国内で、日本の切手の場合です。
各国の郵政当局は、海外からの切手注文に応じてくれている場合が多いので、購入が可能です。
一般的に、自国の人よりも海外からの注文に対しては、サービスが良い傾向にあります。
なぜか、自国の人に郵便切手を買ってもらった場合、収集家は手元に溜め込んでくれますが、場合によっては封筒に貼られて手紙として投函されれば、集配・消印・区分け・あて先の郵便局への配送・そして配達と、多くの手間がかかります。
80円切手に対してその99%は費用として消えていきます。
これに対して、外国への売りさばきは、80円切手に対して、切手の製造コストと販売コストがちょっとかかるだけで、下手をすれば90%以上は郵政当局の純利益になります。
という事で、海外へ販売は利益が大きいので、積極的な郵政当局は本当に親切なサービスをしてくれます。
私がしばしば利用している海外の郵政当局は、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、ベルギー、アイルランド、アイスランド、ポルトガル、ルクセンブルグ、スイス、オーストラリア、ニュージーランド、香港といった国々でしょうか。
これらの注文は全て英語で行います。
4)切手商
なんと趣味の切手を販売している、商売として郵便切手を売り買いしている「切手商」があります。
日本にも切手商はいますし、世界各国にも切手商はいます。
通販を利用して日本の札幌にいる切手商から切手を購入することもあります。
海外の切手商に手紙や電子メールで注文をすることがあります。
私がクレジットカードを利用し始めたのは、実は、海外の切手商に切手を注文する時の支払いのためでした。
最近は経済的な事情から海外でのクレジット払いの金額はほんとうに小額になっていますが、
一時期はクレジットの支払いの95%が海外の切手商への代金の支払いでした。
5)交換
国内だけではなく、海外の収集家と交換を行ないます。
私のテーマはかなり限定的な「電気の切手」なので、国内の収集家で関連する切手を持っていて、私に送ってくれる方は少ないのですが、海外の収集家とは交換を行なっています。
最近はちょっと切手の時間が取れなくなり、音信不通になっていますが
過去に交換した実績のある国は、
アメリカ、カナダ、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、ポルトガル、スペイン、フランス、イタリー、ドイツ、オーストリー、チェコ、ユーゴスラビア、ブルガリア、ポーランド、オランダ、ベルギー、イギリス、スウェーデン、フィンランド、エストニア、ソ連、イスラエル、オーストラリア、中国、韓国 といった国の切手収集家です。
長い間交換をしていると、その国を訪れる場合もあります。
ストックホルムへ出張した時は、スウェーデンの交換相手と会ってきました。
彼は奥さんをつれてきました。
一般的なストックホルムの観光ではなく、先ず「郵便博物館に案内しろ」と依頼、次に「郵便局に案内しろ」と依頼、郵便局では同じ切手を何枚も買い、かつ消印を借りて、購入した7−8000円分の切手を全て、消印を押してしまいました。
これは私の収集が消印を押した切手を対象としているので、ごくごく普通のやり方なのですが、奥さんの目には「亭主も切手収集で気違いであるが、この日本人は亭主を超えた気違いである」と映ったようです。
ドイツへ出張時には、週末にウルムへ行って、彼の家に一泊してきました。
アメリカのダラスに行った時も、週末に彼の家に一泊してきました。
こうした交流も良いものです。
こうした交流が可能になるだけ切手の交換を行なうことができれば、これは切手収集の醍醐味ではないでしょうか。
6)オークション
矢野さんがはまっていますが、ヤフーオークションやEBayも最近では利用しています。
つづく
三浦正悦
WEB:電気と切手の世界:http://homepage3.nifty.com/elestamp/
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コラム:『切手の魅力と不思議(4)何をテーマにするか 全ては集めきれない 2006−6−20
郵便切手は何種類これまでに発行されてきているか?
色々な趣味の中で、何を集めるかに関して図鑑やカタログなどが完備している趣味としては古銭の収集もありますが、切手の収集はカタログが完備している点で、群を抜いているのではないかと思います。
郵便切手の始まりを、ローランドヒルによる英国郵便の近代化政策に始まるとしましょう。
イギリスで1840年5月に郵便切手を発行しました。
これを契機に世界各国に郵便の近代化が始まり、郵便切手が発行されるようになりました。
日本の郵便切手には「日本郵便」という表記がされています。
郵便切手にはどこの国が発行したのか判るように国名の表記があります。
でも、イギリス本国の切手には、女王のシルエットが片隅に描かれていても、イギリスという国名の表記はありません。
イギリスが郵便切手の元祖であるから、国名を表記する必要はない、他の国はまねたのであるから、国名を表記しろ、という論法です。
さて、この1840年のイギリスの切手発行が始まってから、各国でどのような切手が発行されたのか、リストがされ、毎年更新されています。
イギリスではギボンスという世界切手カタログが、
アメリカではスコットという世界切手カタログが、ドイツではミッヒル、フランスではイベール・・・とカタログが発行されています。
日本語で書かれた世界切手カタログはありませんので、英語で書かれたギボンスかスコットカタログを利用することが多いようです。私はスコットカタログを利用しています。
こうしたカタログに何種類の切手が掲載されているか、厳格な係数を行った人はいませんが、
スコットカタログ2003年版は全6巻、A4サイズ、各巻1000ページ程度 という膨大さです。
100万種もあるとか・・・・・
この100万種を1枚ずつ全て集めようとしても困難です。
現在世界で1枚しか現存しないという切手もあります。英領ギニアで発行された船を描く切手です。
この切手はどなたかコレクションに入っているはずで、評価は数億円?
ちょっと古い中国の切手で、現存数が100枚程度の切手があり、その場合は、その100枚に番号を付記し、誰が持っているか、誰が持っていたかがカタログというか文献資料として編纂までされている、という例もあります。
こうなると、いくらお金を出すといっても、全ての切手は集めることはできません。
でも、こうしたカタログを見れば、どこの国で、いつ、どのような図案の切手が発行されたか、それは10円で買えるか100円か、1000円か、1万円を超えるか・・・・・大よその価格も掲載されているので、何を集めるか、目標を立てることができます。
この目標を立てることができるのが、切手収集の醍醐味の一つです。
目標に向かって、コツコツと、収集を重ねて、集まってくるのを楽しむのです。
全てを集めることは不可能なので、特定の国の切手に限定したり、特定の国の特定の年代の切手に限定したりします。 これを国別収集といいます。
カタログに紹介された切手を1枚ずつ集めていのも基本です。これをカタログ収集といいます。
また、切手に描かれた図案に着目し、特定の図案やテーマに関連した切手を集めることにする場合もあります。
スポーツの好きな人はスポーツの切手、オリンピックの切手を集めます。
昆虫の蝶の好きな人は、夏は山野で蝶を採集し、冬場は切手商に行って、切手に描かれた蝶を収集する人もいるようです。
鉄道の好きな人は、鉄道の写真を撮ったり、鉄道切符を収集したりしますが、鉄道に関連する切手も集める人がいます。
こうした特定の図案やテーマで収集する場合を、テーマ収集(トピカル収集)といいます。
最近では、発行された国も関係しないで、図案にも限定されないで、見た目に、自分が綺麗だとか、好きだ という感性に合う切手だけを集める人もいます。
こうした集め方にまだ名前がついていません。
要するに、切手の収集に王道はなく、各自勝手に、自分が好きなように、好きな切手を集めて、楽しむことができます。
その集め方に、各自が勝手に屁理屈をつけて、自分の収集は・・・・・であるといえばよいのです。
こうした各自勝手に自分の道を作ることができるのが、切手収集の醍醐味です。
私は、結果として、電気に関する切手をメインにして収集してきました。
したがって「電気の切手の三浦」と呼ばれています。
つづく
三浦正悦
WEB:電気と切手の世界:http://homepage3.nifty.com/elestamp/
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コラム:『切手の魅力と不思議(5)電気のテーマ と言っても広い
私の切手収集は電気に関するテーマ収集です。
電気や電子に関連する切手などを集めますが、一口に「電気の切手」と言っても、その範囲は非常に広くなっています。
言い換えると、範囲を自分で広くしているといえます。
電気に関連する切手はあるか?
集めていない人にとってはそのような切手があるの?と疑問に思われるでしょう。
ところが、100万種を超えるとされる世界の切手を細かく探していけば、ぞろぞろと出てくるのです。
それなりに努力をして探さないと、決して出てきません。これが収集家の醍醐味です。
こういう切手が過去に発行されたということを切手カタログなどで見つけて、欲しいと思ってから、実物の切手にお目にかかるまでの長い時間がかかります。
1万円もするような、比較的高価な切手は、経済的には負担ですが、入手は比較的容易になります。
なぜかといえば、切手商などにその切手が欲しいと依頼すれば、探してくれるのです。
切手も単価の高い切手は、手間をかけて探し出しても、商売になるからです。
逆に10円、100円程度の切手、
これはたくさん切手が発行され、たくさん切手として残っているので安い価格がついているのですが、逆に、欲しいと思っても中々、見つかりません。
切手商もそうした安い切手は探し出してはくれません。
従って、色々な切手商にあるストックブックなどを丹念に、丹念に探し歩かねばなりません。
そして、10年もかかって50円程度の切手ですが、とある切手商のブックの中に、売れずに残っているのを見つけた時は、小躍りする気持ちになります。
さて、私は、自分の切手コレクションに「電気―その偉大なる世界」というタイトルをつけました。
そして、このタイトルの下に、サブタイトルとして、以下のようなテーマでこれまでにコレクションを作ってきました。
JAPEXという全国切手展への出品を行いながら、自分のコレクションを作ってきています。
順は不同です、ある程度そのサブテーマに関連する切手が集まった段階で、コレクションにまとめています。JAPEXで銅賞以上の賞を取ると、次のサブテーマに取り掛かる、という方法です。
*JAPEX75出品 「電気―その基を築いた人々」
最初はJAPEX71, JAPEX72に出品したが,佳作にもなりませんでした。
JAPEX73で初めて「佳作」となりました。
JAPEX74は、この年はアメリカに駐在していたので、出品はできませんでした。
最終的にJAPEX75で「銅賞」となりました。
合計36リーフ(A4サイズ 36ページ)のコレクションで、エジソン・ベルといった電気の研究者・発明家などの切手をまとめました。
*JAPEX77出品 「通信衛星の歴史」
Japex76に出品し「佳作」となり、JAPEX77で最終的に「銅賞」となりました。
合計36リーフ(A4サイズ 36ページ)のコレクションで、テルスタ、インテルサットといった通信衛星の切手をまとめてあります。
*JAPEX78作品 「電話物語」
JAPEX78に出品し、一発で、初めて「銀賞」となったコレクションです。
合計36リーフ(A4サイズ 36ページ)のコレクションで、電話に関連する切手をまとめました。
*JAPEX80作品「テレビの世界」
JAPEX79に出品して「佳作」、JAPEX80で「銅賞」と、2年かがりで作成したコレクションです。
合計36リーフ(A4サイズ 36ページ)のコレクションで、テレビジョン受信機、放送関連の切手をまとめました。
JAPEX71からJAPEX80まで、4件のテーマをまとめて、銅賞以上の賞を得ることができました。
この10年間は試行錯誤の繰り返しでした。
その後、JAPEX81以降は毎年、一回で銅賞以上の賞を得ることができるようになり、毎年、異なるサブテーマでコレクションを作成し、出品しています。
*JAPEX81出品「ラジオ放送の話」
合計36リーフ(A4サイズ 36ページ)のコレクションで、銀賞を受賞。
ラジオ放送の歴史からマイク、ラジオ放送局などに関する切手をまとめてあります。
*JAPEX82出品「トン・ツー・トン電信の話」
合計36リーフ(A4サイズ 36ページ)のコレクションで、銅賞を受賞、
電信の切手、有線電信・無線電信、電報などのコレクションです。
*JAPEX83出品 「郵趣版:照明講義案」
合計36リーフ(A4サイズ 36ページ)のコレクションで、銀銅賞を受賞。
タイトルの「照明講義案」という表現は、大学生向けの工学書にあったものをいただきました。
当然、その工学書は切手コレクションのための参考書として神田の古本屋で購入しました。
電灯照明に関連する切手、蛍光灯スタンドを描く切手などをまとめてあります。
*JAPEX84出品作品「発電」
合計36リーフ(A4サイズ 36ページ)のコレクションで、銅賞を受賞、
水力発電、火力発電、原子力発電などをまとめたコレクションです。
火力発電所を描く切手は比較的少ないようです。
*JAPEX85出品作品「電気の道」 送電の切手
合計36リーフのコレクションで、銀銅賞を受賞。
送電線、配電線を描く切手をまとめてあります。
風景を描く切手の中に鉄塔があったり、電線があったり、気をつけてみると面白いものです。
*JAPEX86出品作品「電気の家」 家電の切手
銀銅賞を受賞した36リーフのコレクションです。
家庭電器に関する切手だけを集めました。冷蔵庫の切手、ヘアドライヤーの切手などがあります。
*JAPEX87出品作品「アンテナ・電波技術への招待」
銀賞を受賞した36リーフのコレクションです。
工学的なテーマで難しい内容ですが、色々なアンテナがあることを切手で示したコレクションです。
*JAPEX88出品作品「無線工学ハンドブック」
JAPRX87に引き続いて、関連するテーマです。
銀銅賞を受賞した36リーフのコレクションです。
アンテナ以外の無線工学に関連する切手をまとめました。
*JAPEX89出品「世界を結ぶ海底電線」
合計36リーフ(A4サイズ 36ページ)のコレクションで、銀銅賞を受賞。
海底ケーブルを描く切手はそれなりにあります。
海底ケーブルの敷設は国家的なプロジェクトなので、完成を祝って切手がよく発行されます。
*JAPEX90出品「コンピュータの世界」
合計36リーフ(A4サイズ 36ページ)のコレクションで、銀銅賞を受賞。
コンピュータの開発の時代から、パソコンまでをまとめたコレクションです。
*JAPEX91出品「電話番号」
大銅賞を受賞した36リーフのコレクションです。
電話番号が描かれた切手もあります。
切手以外に葉書や郵便消印にも電話番号が描かれています。
ここまでやるのかといわれそうなサブタイトルですが、これが収集の醍醐味です。
*JAPEX92作品「バーコードと郵便」
合計36リーフ(A4サイズ36ページ)のコレクションで、大銅賞を受賞。
バーコードを描く切手や書留などにバーコードを使用した表示などもあり、これらをまとめました。
*JAPEX93作品 「灯台表」
合計36リーフ(A4サイズ36ページ)のコレクションで、銀銅賞を受賞。
切手に描かれた灯台がどの灯台であるか明確に判断できる切手を、地域ごとにまとめたコレクションです。
*JAPEX94作品 「灯台物語」
合計102リーフ(A4サイズ102ページ)のコレクションで、銀賞を受賞。
灯台の役割など、灯台の切手を物語風にまとめたコレクションです。
灯台に関する切手は非常にたくさんあり、2部に分割してまとめたといえます。
*JAPEX95作品 「天空をにらむ通信衛星地球局」
合計119リーフ(A4サイズ119ページ)のコレクションで、銀賞を受賞。
通信衛星と通信を行うために地上に建設された大きなパラボラアンテナを描く切手のコレクションです。
*JAPEX96出品 「国際電気通信連合」
合計111リーフ(A4サイズ 111ページ)のコレクションで、金銀賞を受賞。
国際電気通信連合ITUに関する膨大な切手コレクションです。
スイスのITU本部では専用の郵便切手を使用しています。
*JAPEX97出品 「電気通信の歴史」
合計96リーフ(A4サイズ 96ページ)のコレクションで、大銀賞を受賞。
電気通信の歴史を切手でまとめたものです。
*JAPEX98作品 「アマチュア無線」
合計115リーフのコレクションで。銀賞を受賞。
アマチュア無線に関連する切手も探せばそれなりにあります。
*JAPEX99作品 「電力応用の世界」
合計96リーフのコレクションで、銀賞を受賞。
電気は動力としてどのように利用されているか、という観点からまとめたコレクションです。
*JAPEX2000 作品 「電力技術の歴史」
合計100リーフのコレクションで大銀賞を受賞。
電気が電力として利用されてきたその技術史として、切手でまとめました。
*JAPEX2001作品 「電気と鉄道および電気鉄道」
合計98リーフのコレクションで。大銀賞を受賞。
電車、電気機関車、チンチン電車、地下鉄、新幹線などの切手のコレクションです。
*JAPEX2002作品 「アトムの世界」
合計64リーフのコレクションで。金銀賞を受賞。
原子力に関連する切手のコレクションです。
原子力に限定されずに、ちょっと幅広いテーマにしてあるので「アトム」というタイトルにしました。
*JAPEX2003作品 「映像と音声で楽しむ、学ぶ」
合計64リーフのコレクションで、銀賞を受賞。
映画、レコード、テレビ番組などに関する切手のコレクションです。
*JAPEX2004作品 「医」と電気・電磁波・放射線
合計48リーフ(A4サイズ 48ページ)のコレクションで、金銀賞を受賞。
ちょっと硬い難しいテーマです。
医療と電気、放射線などに関する切手のコレクションです。
*JAPEX2005出品「ちょっと横から見た電気の世界」
合計48リーフのコレクションで、銀賞を受賞。
これまでのサブタイトルに入りきれない電気の基礎という観点から、電気の材料・素材、数学の利用などをまとめたコレクションです。
*JAPEX2005「1-100数列揃え」
合計16リーフのコレクションで佳作でした。
1円の切手、2セントの切手、3フランの切手・・・・と、1から100までのうち95%の金額の切手を集めました。
ということで、JAPEX71-73、JAPEX75からJAPEX2005までと、JAPEXに出品を行なってきています。
出品回数は3+連続31回で、累計34回の出品です。
これまでのコレクションの合計は約1600リーフ(JAPEX2005まで)です。
16ページを1パネルに入れれば100パネルの大展示会が開催できる分量を、35年かけて築いてきました。
ここまでやれば、誰から「気違い」といわれても、私は否定しません。
つづく
三浦正悦
WEB:電気と切手の世界:http://homepage3.nifty.com/elestamp/
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コラム:『切手の魅力と不思議 (6)切手以外のマテリアル 作成:2006−7−14
さて、切手を集めていくと、徐々に裾野が広がるがごとく、集める対象が広くなっていきます。
そして、あり地獄に陥るのです。
何を集めるか・・・・・ 今から自分の収集範囲を洗い出しながら、思いつくままに記述してみます。
1)未使用の単片切手
郵便局で購入したまだ郵便に使用していない切手を「未使用」といいます。
「単片」という収集用語があります。なんのことはない、1枚の切手、1枚に切り離された切手ということです。
この単片の未使用切手が収集の始まりです。
切手は20枚や100枚の大きなシートに印刷されています。
周囲の白い部分(これをマージンという)には、普通は何も印刷されていません。
でも、中には、印刷場所を示す文字や記号、発行年を示す文字などが書かれています。
こうしたマージンに印刷された部分を切手とくっつけた形で集めます。
場合によっては、印刷の色の抜けなどの確認用に、マージンの部分にカラーのマークが印刷されます。
このマークの部分をくっつけた切手を集めます。
ある場合には、マージンの部分に広告や宣伝の文字・記号が書かれることもあります。
こうなると、シートで集めなければならなくなりますが、フルシートでなくても、その何か書かれたマージンの部分をくっつけて切手を集めればよいのです。
こうなると、たった1枚の切手のはずが、5枚10枚と集めることになります。
2)小型シート
郵政省は通常は100枚で1シート、20枚で1シートの切手として印刷します。
でも、時には1枚もしくは数枚の切手に、大きなマージンをつけて、そのマージンの部分に関連する絵や文字を追加した小型シートというものを発行することがあります。
100枚や20枚の切手で構成されたシートに比べると、小さいシートという意味で「小型シート」と呼ばれます。
小型シートで一般になじみのあるのは、年賀状のくじで、最下位の賞として配布される切手が1枚か2枚だけ入った年賀シートでしょう。
3)使用済の切手
使用された切手も当然、収集の対象です。
3)FDC初日カバー
切手はいつ発行すると決まっています。
この発売日に切手を購入して、封筒に貼り、その日の郵便消印を押印します。自分で使用済みを作るようなものです。
いつ発行されたか一目でわかるようにします。封筒の片隅に、関連する絵を自分で書いたりします。
いつでも買えるようにどの郵便局でも売っている切手(これを通常切手、普通切手といいます)の場合は、数年間同じ切手を何度も印刷します。
同じ切手に印刷しているつもりでも、収集家の目で見れば何らかの変化が現れます。
この場合、初日カバーに貼られた切手は、発売当初の初ロットの切手であると証明されます。
こうした意味で、印刷初ロットの切手であることを証明するためにも、初日カバーを集めます。
4)切手帳
切手を買い置き、持ち運びがしやすいように、10枚程度の切手を厚紙に挟んで売ることがあります。
これを切手帳と呼びます。
切手帳の場合は表紙や裏・中紙に広告・宣伝などが書かれる場合があり、それらも収集の対象です。
5)切手の裏に何か印刷
切手の裏には糊だけではありません、時には広告・宣伝や、何かの記号が印刷されることもあります。
こうなると、切手の表の印刷だけではなく、裏も見なければならなくなります。
裏に何か書かれているとすれば、表を飾るためと裏側を飾るために、最低2枚買わなければならなくなります。
郵政省の増収策でしょうか。
6)見本加刷
切手は郵便局で販売するとき、今度はこのような切手が発行される・・・・と宣伝のために、事前に切手は配布されます。
これには、「見本」「みほん」と加刷されています。郵便には使用できません。
こうした見本加刷の切手も、いろいろなルートで収集家が手に入れます。
6)郵便はがき
郵便はがきも集めます。
50円の普通はがきのほかに、年賀はがき(最近では各県用に図案を印刷した年賀はがきが販売されるので、毎年これだけでも50枚・・・の収集対象となります)、記念の切手ではなく、記念の葉書が発行されることもあります。
記念の葉書の場合は、50円の印面の部分だけではなく、余白にきれいな絵や説明が付記されることもあるので、これらの絵の内容によっては、欲しいものも出てきます。
日本の場合「エコー葉書」という広告付きの葉書があります。
広告の図案によっては欲しいものもあります。
各地の風景などを描いた郵便はがきもかなり発行されます。
描かれた風景・事象によっては集めたい物があります。
7)切手付き封筒
切手が印刷された封筒も、日本では少ないのですが、国によっては多くの種類の切手付き封筒が発行されます。
ソ連・ロシアに多く、集めるのに苦労しています。
エログラムと、ちょっとゴロの悪いものもあります。
日本語では航空書簡と呼ばれるものです。郵便の世界ではフランス語が共通語で、エログラムはフランス語です。
8)プルーフやエッセイ
切手の図案を検討する段階のためしの図案(エッセイ)、ためし刷りの段階の切手(プルーフ)などは、郵便局の窓口から販売されることはないのですが、収集家の手に入ります。
時には、切手のデザイナーの手元に残っていた切手の図案の原案などの資料が、遺族から市場に流れて、収集家に手に入ることもあります。
発行された切手と最初のデザインの違いなどがわかり、面白いものです。
9)デラックスシート
8)のプルーフではありませんが、フランスなどでは切手の発行のつど、政府関係者や郵政関係者に贈呈する目的で、比較的厚紙に切手を印刷して配布します。
これらは決して安くはありませんが、収集家の手に入ります。
10)絵葉書
郵政省が発行した絵葉書は、仮に印面に額面がなくても、収集の対象になります。
逆に、郵政省以外の民間の発行した絵葉書は切手の世界では収集の対象としません。
最近の流行で、何でもいれて「ごった煮」にしたコレクションを作るというやり方もあります。
この場合は、民間発行の絵葉書も集めます。
私は、資料として使用できるものは、絵葉書も集めています。
11)郵便消印
消印も収集の対象です。
「KDDI内郵便局」「NHK放送センタ内郵便局」の消印などは、私の電気コレクションの必須のマテリアルです。
記念に特別な図の入った消印が使われます。
これらの中から、自分の集めたい物を集めます。
各地の風景・観光を紹介する「風景入り消印」もあります。ダムの絵の入った消印もあります。
消印の中に、宣伝や広告が入ったものもあります。「広告印」「標語印」と呼ばれるものです。
「ラジオ体操をしましょう」という標語の入った消印もあります。
この消印は、世界各国でさまざまに使用されていますので、自分の欲しい物を探し出すのは苦労もありますが、入手した時の醍醐味も大きい物があります。
12)メータスタンプ
郵便料金計器納という意味で、企業や郵便局で適当な額面を印字してそのまま封筒に貼るものです。
これは切手と消印を兼ねたものです。
これらのメータスタンプの場合、郵便局では消印を押す作業は省けるので、局としては省作業になるでしょう。
そこで、このメータスタンプを使用してくれる企業は、広告を入れることを許されます。
面白い図案や広告の入ったメータスタンプを探します。
これらの広告入りメータスタンプは郵便局の窓口では購入できないので、見つけたときに入手しないと2度と入手のチャンスはありません。
13)その他・その他
書ききれません。いろいろあります。
入手に悩み、見つければ喜びます。これが切手収集の醍醐味です。
つづく
三浦正悦
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コラム:『切手の魅力と不思議 (7)収蔵からコレクションへ、情報の収集 作成:2006−7−17
切手や郵便はがきなどを入手します。
まあ、世界切手カタログに掲載されているので、おおよそ自分の電気のコレクションに入れるべきマテリアルであることは確かです。
切手に書かれている国名から、どこの国の切手かを判断し、世界切手カタログで何年に何のために発行された切手かは調べることができます。
でも、全世界の切手を網羅しているカタログには、描かれた切手上の図案が何か、簡単な説明、一言での説明はありますが、細かいことはわかりません。
フランスの切手で、E・Belinの肖像と、傍らに何か通信の機械が描かれた切手があるとします。
これはカタログで、1972年フランスのBelinを描く切手で、「Inventor」という説明しかありません。
ここからBelinとはどういう発明家なのか、どういう発明を行ったのか、切手に描かれた通信機らしいものは何か を探っていくことになります。
私は昭和31年に発行された岩波西洋人名辞典を座右において、人名を調べるのですがBelinはこの人名事典には掲載されていません。
こうなると、日本語の人名事典での検索は困難になります。
昨今でこそWEBを利用すればかなりの情報を入手できます。
「Edouard Belin」で日本語のネット検索をして、以下の情報が得られます。
>20世紀回想
>1913 - Edouard Belin が公衆電話回線を使う FAX を発明
ネット検索で得られたのは、この1行だけです。
それでも調べ始めるヒントになる情報です。
20年前は、どうしたか、その他の関連しそうな人も含めて、電気通信の歴史の本を調べたり、切手収集家で海外の「電気」に関する収集家やそのグループの機関紙などを丹念に見たりして、情報を探していくのです。
最後は、フランスのことはフランスに聞けばよいので、フランスの切手収集家を紹介してもらって、問い合わせの手紙を出します。
こうして、Belinは初期のファクシミリ発明者の一人ということがわかってくるのです。
こうした情報は、実は、切手を探し、入手するために要する時間と経済的な負担に比較した場合、私に言わせれば、より重要なことになります。
切手は何とか入手できます。
関連する情報は、それ以上に重要な役割を占めます。
特に私のように、「電気」に関する切手を集めるというようにテーマを決めて集める場合は、重要です。
関連する情報・知識なしには、仮に切手を入手することができたとしても、それは単に切手のストックブックに収まっていて、苦労して集めたな と眺めるだけで終わります。
犬が骨を集めてきて溜め込むだけです。
これではマニアとはいえません。
切手を入手して、関連する情報が得られると、これがきっかけとなって、次の切手を探すことになるのです。
Belinの場合は、これまでの調査では、切手に登場するのはファクシミリの発明家としてだけですが、
フランスのAderの場合は、電話の発明をしていますが、同時に飛行機の発明もしています。
そうすると、飛行機を描く切手の中にAderも登場する可能性があり、そうした切手が発行されていないか調べて、今度はその切手を探していくのです。
芋づる式に、情報を切手は相互に関連し、収集の対象範囲は広がっていくのです。
知識も増えていきます。
こうなると、ちょっとした原稿、ちょっとしたスピーチができるようになります。
切手を集め、情報を集めると、コレクションとしてまとめることができます。
このコレクションの構築は自分がやりたいように、独自に、好きなように、まとめます。
独断と偏見の世界です。これは切手収集の醍醐味です。
私は、こうした切手を集めて、情報を集めてきたので、最後にはそれらを使用して一冊の本を書きました。
2003年に総合電子出版から発行した「おもしろ電気通信史」です。
つづく
三浦正悦
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コラム:『切手の魅力と不思議 (8)切手展に出品と他人に見てもらう 作成:2006−7−25
切手を集めて、関連する情報を集めて、コレクションを作ることになります。
電気の切手のコレクションを作ろうと決めました。
電気であれば、いろいろな本を読んでも自分は電気のエンジニアであるから、理解できるであろう。
また何かを調べるときに、どのような分野の如何なる書物を読めばよいかの選択はできるので、楽であると考えました。
趣味の世界にも、本職を持ち込むのは決して好ましくない、という考え方もあります。
本職とは正反対のテーマを選ぶ収集家もいます。
多忙な私にとっては、本職と無関係のテーマには手がだせませんでした。
本職とはいえ、電話の発明の歴史を探るということは本職とはまったく無関係なジャンルです。
本職と1%は関連しているが99%は異なる、そのような分野を、趣味の世界で情報を集め、切手を集めて、知識を増やしていきましたので、本職の知識はさほどでなくても、関連する知識の豊富な、雑学に強いエンジニアになったと思います。
電気のコレクションといっても、私がやり始めようとした段階で、先達がいたわけではありません。
どのようにしてコレクションを作っていけばよいか、教えてくれる先輩はいませんでした。
ということで、電気の切手コレクションに関しては、独学が始まったのです。
最初は「電気―その基を築いた人々」と題して、発明家や研究者の切手をまとめ始めました。
こうした研究者のコレクションが、電気のコレクションの基礎になると考えたからです。
集めた切手をストックブックに収めて、それに簡単な説明を書いた紙を入れておいても良いのです。
1969年に就職して東京に出てきて、その年の秋に開催された全国切手展JAPEX69を参観しました。
この切手展ではA4サイズの厚紙に切手を貼り、説明をつけたりして綺麗にまとめてありました。
A4サイズの用紙1枚分が1リーフと称し、12リーフで1フレーム(パネル1枚分)に、まとめてありました。
このリーフはそのままバインダーに入れると保存できる用紙になっていました。
展示し、その展示した物をバインダーに入れて自分の書棚に保管できるのです。
これであれば、自分のコレクションができると考えました。
そこで、自分もJAPEXに出すと決めました。
1970年に開催されたJAPEX70に出品すべく準備をしましたが、準備不足で、出品はできませんでした。
翌年1971年に開催されたJAPEX71に初めて出品することができました。
このときは、会場に展示はされましたが、何も賞はもらえませんでした。
賞を得ること以前に、ようやく出品することができたというレベルでした。
でも、この出品で、三浦はこうしたテーマで集めているのか・・・と多くの収集家に知ってもらうことができました。
仲間もできました。
中には、この切手もお前のコレクションにまだ入っていないが、進呈すると言ってくれる方も出ました。
お前のコレクションは・・・・なので、今後は・・・・すべき とアドバイスしてくれる先輩も出てきました。
そうなのです。黙って自分ひとりで収集を楽しんでいるのは、限界があります。
切手の展覧会に、不十分であっても、未完成であっても、出してみるのです。
そうすると、そこから思いがけない発展が始まるのです。「楽しい苦しみ」が始まるのです。
切手の収集は、切手を探し出すだけではなく、幅の広い情報・知識が必要です。
これがひとつの切手収集の醍醐味です。
いや、自分は自分のやれる範囲で、やりたいように集める、というのもひとつの収集も道です。
私はそれを否定はしません。
翌年のJAPEX72にも出品しました。でも何も賞が付きません。
まだまだ集め方やまとめ方が不十分だったのです。
さらに同じテーマで、JAPEX73に出品しました。これでようやく「佳作」となりました。
1974年は、仕事でアメリカに6ヶ月駐在しました。
そのために、切手の展覧会には出品できませんでした。
アメリカには、JAPEX73の佳作のコレクションを持参しました。
駐在の地シカゴの切手の会に参加し、コレクションを見さえたりしました。
佳作とはいえ、切手展に出品したコレクションとして、堂々とアメリカの収集家に見せることができました。
こうした駐在の地での現地の人との交流のきっかけとなるのも、切手の収集の醍醐味です。
1975年、JAPEX75で、ようやく「銅賞」という「賞」が得ることができました。
何も賞がないコレクションから見れば、「銅賞」のコレクションは、やはり、良いコレクションになっています。
人に見てもらい、批評を受けて、次のステップに進む、このためには、恥を忍んで、切手展に出品することです。
毎年提起的に行われる切手展に出品する、ということで、収集の日程的な目標が立てることができます。
この切手が欲しいと思っても、いつか手に入るだろう・・・・・と漠然としていては、切手はやってきません。
ある程度の熱意で、探し回ると、不思議に見つかるものです。
これが欲しい・探している・・・と宣言すると、切手の仲間が見つけてもくれます。
ということで、自分なりにコレクションをまとめようと思ったら、思い切って、恥を忍んで、切手の展覧会に出品することです。
これが自分のコレクションを作り上げる道であるといえます。
決して平坦な道ではありません。金と時間と労力のかかる、いばらの道です。
いばらの道を、なかなか欲しい切手が集まらないと嘆きながら、苦しみながら、それを楽しんでいくのが切手収集の醍醐味です。
つづく
三浦正悦
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コラム:『切手の魅力と不思議 (9)現物をみにいく・本を書く 作成:2006−7―31
さて、いろいろな電気に関係する切手を集めていくと、どうなるでしょうか?
切手はどうしても小さい、数cm四方程度の大きさに限定されます。
有名な絵画の切手があるとすれば、切手上の絵画を眺めるだけではなく、実物を見たくなります。
そうなると、絵画の切手の収集家は、美縦館や美術展に足を運びます。
自分の切手を持って、切手と実物を比較するのです。
切手は現物の一部しか描かれていない場合もあります。
また、切手は切手の原画作成者が図案を作成したりします。
したがって、現物と異なる場合もあります。細かい部分は切手ではつぶれてしまって汚くなるので、カットすることもあります。
場合によっては、切手の図柄が原画と異なり、ミスではないかと思うような点に気がつくこともあります。
こうした切手と現物の比較は面白いものです。
それでは私の電気の切手の場合は、どうするか?
何かの機会に旅や出張に出かける場合、普通の観光旅行ではなく、切手に描かれたものを見に行くことがあります。
香川県の高松市の近くに志度という町があります。エレキテルの研究者でもある平賀源内の生まれた家が記念館として残っています。
高松に出張のとき、時間を見つけて平賀源内の記念館を訪問したのです。
志度には平賀源内の銅像があります。この銅像の写真や絵葉書は当然入手済みです。
実物の銅像を見て、気がつきました。絵葉書や写真では良くわからなかったのですが、足元にはエレキテルがありました。これは、やはり現地に行かなければわからないことです。
京都には、日本で最初に営業発電を開始した蹴上げの発電所があります。
京都の都ホテルのすぐそばです。
この蹴上げ発電所はまだ郵便切手には登場していませんが、郵便消印には登場しています。
そこで、京都に行った時は、神社仏閣めぐりではなく、蹴上げの発電所を見に行くのです。
この発電所は現在も関西電力の発電所として稼働中です。無人運転になっています。
したがって、外から見て終わりでしたが、次回訪問する機会があれば、関西電力に事前に依頼して中の見学をさせてもらおうかと思っています。
1974年にアメリカに駐在していたときに、ナイアガラの滝に行きました。
ナイアガラの滝は、テスラが始めて交流送電の実用化実験を行った場所です。
ナイアガラの滝で発電機を回し、博覧会が開催された場所まで送電を行っています。
ナイアガラの滝は、他の日本人と一緒だったので、通常の滝見物でしたが、私は、どこかにこのテスラの送電実験の痕跡がないか、見ていました。
記念館のパネルの中に、たった1行「送電実験を行った」という年表上の記述だけが収穫でした。
ナイアガラの滝という観光の中で、送電実験は無視されてもやむを得ない過去の事象でしょう。その確認もできました。
こうしたことで、電力の歴史に関する雑学が増えていきます。
ナイアガラの切手の下に、「テスラが送電の実験をした。その痕跡は何も残っていない」といった説明を書き加えることができるのです。
こうした切手の説明として、足で稼いだ情報を1行、1行だけ記入するのです。
「こうした切手+情報」が自分なりのコレクションの根源となるのです。
ここまでやらなければ趣味ではない とは言いません。
でもここまでやれば、自分なりのコレクションができるのです。切手収集の醍醐味です。
2005年10月にはドイツに出張しました。
この時は、間に土日が入りました。土曜日の半分は移動に使いましたが、1・5日フリーな時間が取れました。
フランクフルトに泊まっていましたが、電車でカールスルーエという町を半日かけて往復しました。
ドイツ駐在の方と話をしましたが、カールスルーエに行く?そこは観光地ではないよ、なぜ?と聞かれました。
私にとって、カールスルーエはヘルツが電磁波(電波)の実証実験を行った大学があるのです。
ヘルツの切手はドイツからも発行されています。
大学の構内にはヘルツの銅像があり、実験に使用した建物はヘルツ講堂と名づけられて残っているのです。
だだ、それだけの理由で、カールスルーエに行ったのです。
また、翌日は、特急電車で片道2時間もかけて、フランクフルトからウルムへ行きました。
ウルムはアインシュタインの生まれた町です。
アインシュタインはウルムで生まれましたが、生まれてすぐにミュンヒンに引っ越しているので、彼の跡はほとんどありません、生家は第2次世界大戦で壊れてしまい、「アインシュタインが生まれた家の跡」という碑が立っているだけです。
それだけといえば本当にそれだけです。関心のない方には信じてもらえません。
でも、そうした場所に行ってきた、見てきたという自己満足、そしてそうした訪問の記を自分のサイトに掲載して、喜ぶ、のです。
切手を集めて、関連する情報を集めて、それだけでは飽き足らず、関連した実物を見に行く、ここまで奥深く探求できるのが、切手収集の摩訶不思議さであり、醍醐味と言えるでしょう。
これから切手を集めようとする方に、今も集めている方に、私と同じことをやれとは言いません。
ここまでやれば、一冊の本を書けるようになります。
2003年に総合電子出版から発行した「おもしろ電気通信史」は純粋な技術の歴史の本とは言えず、切手で語る電気通信物語です。
機会があれば、電気の切手を使った様々なテーマの本を書きたいものです。
つづく
三浦正悦
WEB:電気と切手の世界:http://homepage3.nifty.com/elestamp/
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コラム:『切手の魅力と不思議 (10)仲間に入る・ネクラからネアカへ 作成:2006−8―10
切手の収集では、コツコツと溜め込んだ切手を自宅で眺めて一人で喜ぶ、エラー切手など他の人が持っていないものを手に知れて、一人悦に入る。こういう傾向はあります。
すなわち切手の収集家はネクラな人種といえるかも知れません。こうした切手収集の楽しみ方も否定できません。
でも、これまでにこのメルマガで述べてきたように、切手の収集から切手以外のマテリアルも収集し、自分なりのコレクションを作り上げようとすれば、一人ではできなくなります。多くの仲間の助力が必要になってきます。
関連する情報にしても、自分ひとりで調べるにしても、限度があります。
こういう情報があるよ、こういう切手が・・・・で売っているよ、・・・・が近々発行されるよ、・・・という情報が非常に重要になってきます。
如何にして情報を集めるか?
昨今はインタネットの時代で、一人でもそれなりの情報は入手できます。
それだけで満足するのも良いでしょう。
私は、それでは満足しません。「毒を食わば皿までよ」の心境で、自分の収集テーマには徹底して情報の収集と、実物の切手の収集を行おうとしています。 これは何度もいう「収集の醍醐味」です。
そのためには仲間やグループを作ったり、仲間に入れてもらったりする必要があります。
現在、私が参画しているこうしたグループを紹介してみます。
*日本郵趣協会(JPS) 日本の切手収集家の団体組織、
切手の展覧会なども開催。私は1965年に入会。もう40年になります。
*JPSには各地に支部があります。
私は野川崎市にある登戸支部に所属しています。10数名程度の小さい支部です。
毎月1回例会を開き、情報交換などを行っています。
昨年度から私はこの支部の支部長になっています。
JPSには様々な専門収集の部会があります。
*JPS人物切手部会 私はこの部会の創立以来の会員です。部会員数50名弱の小さい会です。
いろいろなテーマで収集するにしても、研究者や関連する人物の切手に関する知識が必要になります。
私は、この部会の代表世話人となっています。
*JPS鉄道切手部会
鉄道は鉄道でも私は電気機関車・電車・地下鉄・市外電車といった電気関係しか集めませんが、幅ひろい情報収集のために、この部会に参加しています。現在、部会報の編集を担当しています。
*JPSメータスタンプ部会
電気に関するメータスタンプも集めるということで、幅引く情報を集めるという観点から、この部会に参加しています。
*JPS宇宙切手部会
アポロなどの切手は集めませんが、電気通信衛星などは私の収集範囲なので、幅引く情報を集めるという観点から、この部会に参加しています。
*アメリカトピカル協会ATA
アメリカに本部のあるトピカル切手(花や動物の切手など、テーマを決めて集める収集家の世界的な団体)の会員です。
30年以上前に入会し、終身会員です。毎年会費をドルで送金するのが30年前は面倒だったので、一括して終身会費を納めてしまいました。
*ATA 数学切手部会
数学に関する切手の仲間の会ですが、コンピュータも含んでいるので、この会に参加しています。
*ATA 宇宙切手部会
宇宙に関する切手の会です、JPS宇宙切手部会と同じ内容です。
20年くらいの間、会に入っていましたが、さすがに全ての切手や会報を読む時間がなくなり、昨年末で退会しました。
この部会の会長が日本に来たときに、東京で会いました。
*ATA 灯台切手部会
灯台では最初は油などを燃料にしていましたが、多くは電気照明を利用しています。
電気照明の一環として灯台切手も集め、そのためにこの部会にも参加しています。日本人は私一人です。
*ATA 電気通信切手部会
電気通信に関する切手の部会です。現在ではこの会は活動を停止しています。活動中は私も会員でした。
*ATA 化学・物理切手部会
化学や物理も電気に関係しているので、一時期参加していました。でも、現在は退会しています。
*ATA コンピュータ切手部会
コンピュータに関する切手に熱心なアメリカ人がいました。彼が活動を行っていたときに入会しました。現在この部会は活動を停止しています。
その他の切手部会
*イギリスに灯台の切手の会があり、参加しています。日本人はたぶん私一人。
*ドイツにアマチュア無線の切手を集めている会があり、あまり活動は熱心ではありませんが、参加しています。日本人は私のほかに1名参加しているようです。
これだけで15件 こうした仲間との交流はそれぞれが専門的に集めている人の集まりなので、非常に有効な情報が手に入ります。
ここまで幅広く、国内、海外の収集家と情報交換を行えとは言いませんが、
ここまでやれば、本当に切手の収集に首まで浸かっているという感じになります。収集の醍醐味でしょうか? もう抜けることはできない という心境です。
つづく
三浦正悦
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コラム:『切手の魅力と不思議 (11)三浦の郵趣遍歴 まとめ 作成:2006−8―14
これまで10回にわたって私のこだわりを中心にして、切手収集の魅力とその不可思議さ、醍醐味を語ってきました。
切手の収集に関心のない方からみれば、とんでもない戯言に見えます。
他人から見れば本当に戯言と私も考えています。
さて、今回がこのコラムの最後となります。私の切手収集・郵趣遍歴をまとめてみました。
*収集の始まり
1961年、私が中学1年の時です、家に届いた郵便物に偶然にも記念切手が貼られていました。
こんな切手もあるのかと気がつきました。
普通の切手とは異なる切手もあるのだと、関心を持ちました。
1961年発行:国際ロータリー大会記念切手です。
*東京オリンピックの前のちょっとした切手ブーム
1963年―1964年 中学2−3年の頃です。
同級生や近所の小中学生も切手収集を始めました。
それから40年を経過して、切手の収集を継続しているのは、たぶん 三浦以外にはいない。
*その後、発行される切手を、ぼつぼつと購入していました。
*学生時代、何か方針を決めて、収集しようと思いました。
当時、電気工学の学生であったので、単純に、電気の切手を集めてみようと、決めました。
でも、秋田に住んでいて、切手を売っている切手商もなかったので、方針を決めただけでした。
*1969年 20歳
就職して、川崎市に住み、切手を売っている切手商も都内に多数有り、自分のお金で切手を購入し始めて、そこから「電気の切手」の収集に特化していきました。
*1969年4月 新宿駅南口に郵趣協会の「郵趣会館」が開館しました、切手ショウルームが新装開店し、切手商のブースも併設されています。
ここに行けば切手は買える、また、郵趣協会の各種部会や集いにも参加可能となりました(現在は目白に移転)。
*以来、数十年、今ではこの電気の切手の収集におぼれています。
*現在 57歳
*切手の収集の歴史(収歴という)は44年になります。
*活動の主体は、この郵趣協会JPSの部会活動、支部活動、切手展への出品など
*切手の購入は、上記ショールームや都内の切手商、海外からの購入も多い、
最初にクレジットカードを作ったのは、海外の切手商に代金を支払うため。
現在はヤフーのオークションやEbayも利用しています。
*1969年11月 郵趣協会主催の全国切手展JAPEX69を参観。
こうした切手展に出品をしたいと願望。
*1970年11月の切手展JAPEX7への出品をもくろむが、準備不足で断念
*1971年11月の切手展JAPEX71で初出品 以降1974年を除いて毎年出品を行う
郵趣協会では、連続出品の記録保持者となっている。
JAPEX69−JAPEX73 JAPEX75−Japex2005 3+31回の出品
これらの出品コレクションはそのまま保存して有り、バインダーで40冊以上、
ページ数で1600ページを超える。
コレクションのテーマは、電気、電子、通信などに関連したテーマに限定。
この中に、電気鉄道も含む。したがって、蒸気機関車の切手は蒐集の対象外。
*切手収集家の間では「電気の切手の三浦」として知られている、と本人は自負している。
*鉄道切手との関係
2000年に鉄道切手の収集家のグループ「鉄道切手部会」に参加。
これは2001年のJAPEX2001に「電気鉄道」のコレクションを出品するために、切手と情報収集が目的で参加。
2001年JAPEX2001に電気鉄道のコレクションを出品
2003年秋 世界鉄道切手総図鑑の追補版出版の話題が出た。
原本は1994年の郵趣出版による出版。郵趣出版に追補版の話を持ち込むが、商業出版は不可能と断られる。
そこで、三浦が編集を行い、鉄道切手部会の自費出版とすることに決定。
荒井誠一(鉄道切手収集家として著名、1994年の本の著者、荒井さんは追補版の原稿は作成したが、出版が未完の状態で、逝去)が作成した原稿を入手。
これをもとに編集、約1年かけて出版。
荒井誠一氏の3回忌の霊前に報告。
モノクロ印刷版 約350冊頒布、フルカラー印刷版(定価15000円)24部頒布、CDROM版 約80部頒布、
三浦が編集担当になった理由は単純です。パソコンが使えて、自著「おもしろ電気通信史」(発行:2003年総合電子出版)の原稿はパソコンで作成し、挿入する図版などもパソコンで大よその編集まで行った経験が有り。これらの経験があれば、切手総図鑑のパソコンによる編集はできると判断した。
現在、鉄道切手部会の部会報(年6回発行)の編集・発行人となっています。
三浦が収集する鉄道切手の範囲
・電気機関車 電車 地下鉄 市街電車、 モノレール ケーブルカー リフト
リニアモータカー など電気で動く鉄道
・蒸気機関車でも、ヘッドライトが描かれているだけでは駄目で、ヘッドライトが光っている図案の切手は電気切手として収集。
・蒸気機関車のそばに、電信線や電信柱が描かれていれば、これも収集。蒸気機関車の運行に電信は鉄道創業当時から欠くべからざるものであった。
*この切手総図鑑・追補版のカラー印刷版が、2005年5月20日放映のTV朝日「タモリ倶楽部」で「超マニアックな図鑑」の一つとして取り上げられ、三浦が登場した。(TVへの初登場)
30分番組の中で三浦が実際に番組で登場したのは3分程度。 収録時は30分もかかった。
*スカイパーフェクトTVにも登場 2006年3月に放映された「山田五郎の新マニア解体新書」
山田五郎さんとの対談形式で、30分番組にフルに登場。
電気の切手にしびれている三浦として、鉄道切手の話も含めて、いろいろと話をしました。
*2006年7月 講談社から「山田五郎のマニア解体新書」が山田五郎著として、単行本として発行された。この本は上記スカイパーフェクトTVの番組を記録し、編集した本です。マニア11番目に三浦が「電気限定! 切手マニア エレキな切手にしびれている」として掲載されています。
*切手収集の奥の深さ 醍醐味
単に切手を入手し、貯めておくだけではなく、関連する情報を集めて、切手に関する知識を深める。
こうした作業は一人ではできないので、必然的に同好者が集まって、グループを作って活動。
*切手収集に関連した著作
2003年総合電子出版から発行した「おもしろ電気通信史」は切手収集を通して集めたネタが主体の本。
*2005年10月ドイツに出張、間に挟まってできた自由な土日曜は普通の観光ではなく、電気の切手に関係した箇所を探訪しました。
アインシュタインが生まれたウルム、電波の実証実験をヘルツが行ったカールスルーエ、ベルより先にドイツで電話を発明したライスの生まれたゲルンハウゼンなどを訪問。
*自著に切手を活用
2004年東京電機大学出版局から発行した「電磁界の健康影響」の本の表紙には、三浦のコレクションから切手を使用しています。
*仕事というか会議でのプレゼンにも切手を添える。
2005年10月 ドイツでの会議で使用。相手に切手の収集家がいたりして、和やかに仕事ができることにもつながる。
ということです。
長い間、三浦のコラムを読んでいただき、感謝いたします。
ありがとうございました。
三浦正悦
WEB:電気と切手の世界:http://homepage3.nifty.com/elestamp/
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メルマガ11回を終わっての矢野さんの編集後記 2006−8−21の記
【編集後記】
三浦さん、11回に亘り『切手の魅力と不思議』の真髄を語って頂きまして、
大変興味深く読ませて頂きました。誠に有難う御座いました。
たかが『切手』と言う無かれ、実に奥の深い不思議な世界なんですね。
「切手」で思い出すのは、映画「シャレード」のパリモンマルトン公園の切手市です。
そして主人公は一枚の「切手」だ。スリリングな展開にオードリーが危ない。
本当のドイルは誰なんだ?一人又一人と仲間が殺されていく。
ケーリー・グラントが怪しいぞ・・・・・・(汗!)
このメルマガで始めて別冊として連載しました。如何でしたでしょうか。
今後も趣味の世界を繰り広げて行きたいと思います。
ご希望の方がいらっしゃいましたら、ご一報下さい。