19世紀に入り、蒸気機関車等の鉄道が発明され、実用に供され始めた頃、同時期に電気技術も電池等が発明され、実用の時代に入り始めていた。
電池を電源とした電気技術は最初に電信として実用化された。その電信は鉄道の運行管理に必須の技術・事業としておおいに利用された。電気技術がさらに進歩し、電力の面での応用が可能になると、電力技術は電灯照明の面だけではなく、電気鉄道としても利用され始めた。
電信会社、電灯電力会社と鉄道会社は密接な関係にあり、電気事業と鉄道事業は歴史的に協調体制をとってきたといえる。
電気鉄道の実用化で、戦略物質の一つである石炭を節約できる手法として、その国の電力事情さえ許せば、鉄道の電化が政策的にも推進された。鉄道が一度電化されると、その至便さから二度と蒸気機関に戻ることはなかった。
19世紀末から今日にかけて、多くの電気鉄道が利用されてきた。路面電車、地下鉄、電気機関車、電車、モノレール、ロープウェイ、ケーブルカー等、さらに、磁気浮上高速鉄道等の新しい電気鉄道も開発中である。
1904年(明治37年)甲武鉄道が飯田橋―中野間を電化、日本初の電化 1908年頃の絵葉書
コレクションの構成:
第1章 鉄道の始まり
騎馬・馬車に代わる乗物として鉄道が発明され、各国で鉄道事業が始まった。
第2章 電気の発明
電池、電信、電話、発電機、電灯等が順次発明され、電気・電力事業が成立した。
第3章 鉄道における電気の利用
鉄道では電気は電動力以外に、通信、信号、運行管理、照明等に利用されている。
第4章 電気鉄道の発明と電力事業の始まり
電気鉄道が発明された頃、同時に発電技術が進歩して各地で電力事業が始まった。
第5章 電力の供給
発電所からの電力はパンタグラフ等の集電装置を経て電車などに供給される。
第6章 路面電車(トラム)
トラム(路面電車)の電化は地下鉄と共に電気工業における最初の成功例の一つである。
第7章 地下鉄
建設費は高いが、都市部の地価高騰から、地下鉄建設が見直されている。
第8章 電気機関車
初期からの直流電気機関車、交流電気機関車、交直両用電気機関車が運転されている。
第9章 電車
電気機関車とは異なり各車両が自走できるので、編成が容易である。
第10章 モノレール
モノレールにはレールを跨ぐ跨座式とレールにぶらさがる懸垂式がある。
第11章 その他の電気鉄道
その他の電気鉄道として、ロープウェイ、ケーブルカー、リフト等がある。
第12章 鉄道電化の推進
軍事物質でもあった石炭を節約できる鉄道電化が行われると、蒸気機関に戻ることはなかった。
第13章 新高速鉄道
新幹線など時速250kmを超える超高速鉄道が各国で開発され、運行されている。
第14章 新都市交通システム
ゴムタイヤでの案内軌条式やコンピュータ制御無人運転等の新システムが運用されている。
第15章 磁気浮上式リニアモータカー
未来の超高速鉄道としてドイツ・日本等で開発が行われている。
コレクションの規模:98リーフ
以下に3リーフのみ紹介します。